志望校を決定することの必要性

こんにちは。シードタイムズ教務主任の谷垣です。

 

今回は志望校を決定する事の重要性についてのお話を。

早速ですが皆さん、志望校は決定していますか??

 

志望校の決定とは多くの受験生にとって初めて人生の方向性を「選択」すると言う一大イベントにあたります。

ですので、志望校の決定には多くの下調べを必要とし、また多くのストレスが加わるため割と先延ばしにしがちですよね。

よく聞くのが、「志望校なんて将来の夢と同じでみんな決まってないまま何とか進んでいくもんだよ!」と言う類の意見です。

これはある種、受験の実際を如実に表している言葉だと思いますが、親御さんによく見られる意見です。受験を経験した者として、とても共感します。

またこう言う意見も耳にします。「志望校を決定する代わりにとりあえず偏差値を伸ばして選択肢を広げます!」こちらの意見は主に生徒側からよく聞く意見で、実際ものすごく多いと思います。

親御さん達の「そんなもんだよ。」と言う前者の意見は受験生にとってある種の救いとなる様な励ましも含まれている事だと思いますが、生徒側の「とにかく偏差値優先」の考え方に関して言えば、気持ちは分かるのですが受験上の危険を孕んでいると思います。

と言うのも、偏差値が上がれば合格の可能性が上がると言うことは事実ですが、どれだけ合格の可能性が上昇するか?に関しては考慮されていないからです。

例えば、パスナビで関西大学(関大)・関西学院大学(関学)の偏差値を比較してみると経済学部では関大が偏差値55~60 関学が52.5~57.5です。

上限の偏差値はどちらも共通テスト利用入試の偏差値であるため、実質的に多くの受験生が目標とする一般入試での偏差値は

関西大学(経済)55  

関西学院大学(経済)52.5

だと思います。

多くの受験生はこの数値をある程度の目安として受験をする事になりますが、これら2大学の英語に着目すると、過去問の傾向が大きく異なります。

ザックリ言うと関西大学は文法専用の問題がなく長文がメイン。関西学院大学は文法専用の問題が大問2つ分(文法4択と並び替え)含まれています。

つまり、模試で偏差値が52であったとしても、文法が苦手である場合、本人の相性もあるでしょうが、より偏差値の高い関大の方が合格しやすい場合も出てくるでしょう。

結局、偏差値でみると合格できそうだが、実際に過去問を解いてみると相性が悪く、難しかったと言う事も大いにあり得る訳です。

シードタイムズでは3年生の春休みに過去問を解くので心配はいりませんが、多くの受験生は夏休みが過ぎ体育祭が終わる10月以降にようやく過去問を解く事になります。

体育祭が終われば一気に入試のプレッシャーがかかってくる時期になるので、その時期に過去問の傾向を掴み、志望大学の傾向や設問難易度に合わせていく作業はとてもストレスが多くなり本当に苦労すると思います。

つまり、これらの事を加味すると偏差値基準の入試計画は落とし穴があると分かって貰えると思います。

そんな落とし穴に嵌まらない様に、予め志望校を選定しておく必要性がある訳ですが、志望校選定にも大切な要素があるので気になる人は別記事の「志望校の決め方」を読んで参考にしてもらえたらと思います。

塾講師として多くの生徒に関わる中で、志望校はその受験生のポテンシャルを表している事が多いと思っています。

不思議な事に、スタートがどんな偏差値であっても志望校を決定し、勉強を決意した上で勉強に時間を掛ければ、一見不可能に見える難関大学でも合格していきます。

そもそも、志望校決定は入試において避けては通れない道。他人の言に惑わされない事、他人の意見に素直に応え柔軟な決断を下す事、意思を固める事。

様々に相反する事を様々な人に求められるでしょう。

ですが人生は1度きり。

であれば妥協せず自分が納得できて悔いの残らない様なよりよい道を選択して欲しいなと思います。