現代文で大事なこと

こんにちは!
教務副主任の三浦です。
夏休みになりました。3年生の皆さんは基礎力を身につける最後のチャンスなので引き続き頑張ってくださいね。

今日は現代文のお話をします。いきなりですが、皆さんはこの二つの文の意味の違いは分かりますか?

「夏は暑いが、コーラが上手い。」
「夏はコーラが上手いが、暑い。」

どちらの文もともに夏は暑くてコーラが上手いということについて述べているわけですが、単にこれらの情報を並置して述べているわけではありません。前者の文は「コーラが上手い」ということに重きが置かれており、だから「夏が好きだ」と続きそうな気がします。一方で、後者は「暑い」ということに重きが置かれており、だから「夏は嫌だ」と続きそうな気がします。これを一般化してみると「Aだが、B」のような構造になります。この構造の特徴は話が転換しているということにあります。つまり、Aという主張に対立するBという主張がその後に続いているわけです。こうした転換を表す接続表現には「だが」や「しかし」などがありますね。皆さんが英語の「Though」を学習するときに聞いたことがある譲歩構文というのはこの構造の最たる例です。

 上の例では、「Aだが、B」の構造において、Bにウエイトが置かれていたわけですが、必ずしもそうならない場合もあります。例えば、

「夏は暑い。しかし、夏はコーラが上手い。あなたは夏が好きですか、嫌いですか?」

この場合、先ほどのように「コーラが上手い」ということに言いたいポイントがあるとは言い難いでしょう。ここでは、「暑い」と「コーラが上手い」のどちらかに重心を置くような主張にはなっておらず、両者の情報は同じ程度に扱われていると思われます。要するに、二つの情報が純粋に比べられているわけです。

ここまで書いた内容は皆さんにとって至極当たり前に思われることだったかもしれません。しかし、現代文の学習で重要なことは、このように構造を意識しながら文章を読むということです。そのために日ごろの学習から接続関係に注意を向け、それがどのような働きをしているのかをしっかり理解しておく必要があります。こうしたトレーニングは、抽象的な言葉で書かれ、今まで触れたことのないような議論を読むうえで、極めて効力を発揮するはずです。以上長くなりましたが、参考になれば嬉しいです。